よくある質問
- 退職した従業員が、会社も存在を忘れていた就業規則を持ち出し退職金の要求をしてきました。周知されていない就業規則であったとしても、それを基に支払に応じなければならないのでしょうか?
結論から申し上げますと、周知されていない就業規則であったとしても、会社にはその就業規則に基づいて退職金の支払義務が生じることとなります。
「常盤基礎事件」という労働裁判において、東京地裁は次のような判断を下しています。
『…特に、原告が雇用されるころまでには、被告会社は、常時10人以上の労働者を使用するようになり、就業規則を作成すべき法的義務を負うようになったにも関わらず、本件就業規則を改正することも、新たに就業規則を作成することもなかったのであるから、原告が本件就業規則等に則った給与を求める以上、被告会社は、その作成の目的や実際の取扱いなどを理由に、本件就業規則等が規範的効力を有しない旨主張することは許されないと解するべきである』
しかも、本事件においては、労働者が
○退職金制度の存在が(慣行としても)ないことを承知の上で雇用契約を交わしていた
かつ、
○入社後も退職金の支払いが行われた事実がないことを認識していた
以上の前提条件があるにも関わらず、前述の判断がなされました。つまり、労働基準法93条に定める
「就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効であり、その部分は、就業規則で定める基準による」
という文言を適用し、就業規則の効力が上回っているので支払うべきである、としたのです。会社としては、ひとたび就業規則を作成したのであれば、日々の運用や法改正に伴う見直しに注力することが重要です。
よくある質問一覧
- 株式会社の代表取締役は被保険者資格がありますか。
- 当社には労働組合がありませんので、従業員の過半数代表者と36協定を結ぶことになるのですが、いつもこの代表者のなり手がありません。会社が適当と思う従業員を説得して代表になってもらっていますが、問題でしょうか。
- 当社では、私傷病その他一定の事由により就業できない場合、一定の期間休職を認め、休職期間が満了してなお正常な勤務に就けない場合は自動的に退職になる旨を定めていますが、明らかに近々復職可能な場合は休職期間の延長も認めています。この場合、期間延長を認めないのは解雇と評価されるのでしょうか。
- 残業手当の支払は、各従業員の残業基礎賃金に応じ、各人の実際の残業時間数で計算すべきことが原則でしょうが、計算事務の簡便化のため、全員一律に一定額の残業手当を設定してこれを支払い、その都度の計算を省略したいと思いますが、可能ですか?
- 当社は350人の建設会社です。先日、工事竣工のとき、従業員の慰労もかねて、宴会を催しました。宴会が終了してから、さらに20~30人の有志による二次会がもたれましたが、二次会に出席した1人が、二次会終了後の帰り道、川に転落し、死亡してしまいました。原因は泥酔によりあやまって川に転落したものです。この場合、業務上と判断されますか?なお、宴会、二次会とも出席は強要されていませんでしたが。宴会の費用は、全額会社が負担したものです。
- 当社は会社設立と同時に健康保険の適用を受けていましたが、最近、事業の縮小を余儀なくされ、現在、従業員は2人になってしまいました。健康保険の加入から、はずされるのでしょうか。
- 2つの会社に勤務していますが、両方の健康保険に加入しなければなりませんか。
- 私は、従業員が3人の個人経営の文房具販売店に勤務しています。現在、国民健康保険に入っていますが、健康保険に入ることはできないでしょうか?
- 平成27年10月からマイナンバー通知カードが送られますが、事情によりマイナンバー通知カードを受け取る事ができない場合はどうしたら良いですか?
- 今月末をもって妻が会社を退職します。被扶養者にしたいと思っていますが、その手続方法について伺います。