- 現在、老齢基礎年金の満額(年金額786,500円)を受給していますが、今回の特例水準解消によるマイナス1.0%の年金額は、どのような計算を行うのですか。
これまでの年金額の計算は、平成16年改正後の年金関係法の規定により計算した年金額(本来水準)が、平成16年改正前の年金関係法の規定により計算した年金額(特例水準)に満たない場合、特例水準の年金額を支給することとしています。
老齢基礎年金満額の場合の年金額は、平成16年改正前の規定に定める額(804,200円)に「政令で定める率(0.978)」を乗じ、786,500円となり、計算式は以下のとおりとなります。【計算式】
<特例水準の年金額(老齢基礎年金満額)の計算式>
平成16年以前の規定に定める額(804,200円)×政令で定める率(0.978)≒年金額(786,500円)平成25年10月分からの特例水準解消(マイナス1.0%)による年金額の計算は、上記計算式の「政令で定める率(0.978)」にマイナス1.0%(=0.990)を乗じ、「政令で定める率」を「0.968」として計算します。
老齢基礎年金満額の場合の改定後の年金額は778,500円となり、具体的な計算式は、以下のとおりとなります。【計算式】
<平成25年10月分からの特例水準解消(マイナス1.0%)後の年金額(老齢基礎年金満額)の計算式>
平成16年以前の規定に定める額(804,200円)×政令で定める率×0.990(0.968)≒年金額(778,500円)※これまでの年金額そのものにマイナス1.0%(0.990)を乗じても、平成25年10月分からの年金額となりませんのでご留意願います。
- 先日、子供が20歳になりました。年金について必要な手続き等を教えてください。
日本国内に居住している20歳から60歳までの方は、国民年金の被保険者となります。
20歳になれば、一部の人々(※)を除き国民年金第1号の加入手続きが必要となります。
お手続きは、お住まいの市(区)役所または町村役場で行います。
また、国民年金第1号被保険者は毎月、保険料を納めることが必要です。
保険料を納めることが難しいときは、納付猶予制度などがあります。
(※)厚生年金保険加入者や共済組合加入者、またはその配偶者に扶養されている人国民年金加入手続と、その後の流れ
1.「国民年金資格取得届」を提出してください
- 20歳の誕生月の前月に年金機構からお送りする「国民年金資格取得届」に必要事項を明記し、お住まいの市(区)役所または町村役場、もしくはお近くの年金事務所に提出してください。
- また、保険料の「若年者納付猶予制度」や「学生納付特例制度」の申請書を同時に提出することもできます。(学生納付特例制度の申請をされる場合は、学生であることの証明が必要です。)
- 付加保険料の納付(※)の申し出や、前納を希望する場合は、お近くの年金事務所にお問い合わせください。
(※)定額保険料のほかに月額400円を追加して納付することにより、将来の老齢基礎年金を増額できる制度。
2.「年金手帳」が届きます
- 保険料納付の確認や将来年金を受け取る際に必要です。大切に保管してください。(厚生年金保険の被保険者だった方、共済組合に加入していた方、障害・遺族年金を受給している方(していた方)にはお送りしません。)
3.「国民年金保険料納付書」が届きます
- 納付書で保険料を納めてください。(ご自身の生年月日の前日が含まれる月の分から保険料が発生します。)
- 保険料は金融機関のほか、コンビニエンスストアでの納付、電子納付もできます。また、口座振替やクレジット納付も可能です。なお、納付書は保険料の納付猶予などを申請した方にも送られてきます。
- 労働基準法に違反している契約でも、結んでしまえば有効なのでしょうか。
労働基準法第13条は、「この法律で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とする。」と規定しています。
「ウチでは残業代は出ない。契約書にも記載しているし口頭でも説明した。」などと会社側が主張して従業員とトラブルとなるケースが後を絶ちません。
労働基準法は『強行法規』です。つまり、仮に当事者間で合意がなされていたとしても「残業代は出ない」という部分は労基法違反となるため無効となります。
- ボーナスは労災の支給額に加味されるのでしょうか。
ボーナスは特別支給金の一部に反映されます。
労災保険には本体給付と特別支給金があります。ボーナス(賞与)などの三ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金は、本体給付には反映されませんが、特別支給金の一部に反映されます。ボーナスが反映されるのは特別支給金のうち、障害特別年金・障害特別一時金・遺族特別年金・遺族特別一時金・傷病特別年金(いわゆるボーナス特別支給金)です。ただし、特別加入者にはボーナス特別支給金は支給されません。
(どのような賃金が「ボーナス特別支給金」に反映されるのでしょうか。)
A. 3ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金が反映されます。いわゆるボーナス(賞与)のほか、例えば、6ヶ月ごとに支払われる勤勉手当や支給額が直前6ヶ月の売り上げにより一律決められている販売奨励金などが挙げられます。
一方、4月から9月まで6ヶ月の期間にわたって支払われる通勤手当は、それが4月に一括支給されても、それが6ヶ月定期券を購入する便宜のためであれば、毎月分の前渡しと認められますから、特別支給金ではなく本体給付に反映されます。
つまり、特別支給金に反映されるかどうかは、賃金の計算期間が3ヶ月を超えるか否かによって判断されます。単に支払い事務などの便宜のために3ヶ月を超える期間ごとに一括して支払われるようなものは特別支給金ではなく本体給付に反映されるのです。
なお、結婚手当、出産手当などの臨時に支払われた賃金は、本体給付、特別支給金のどちらにも反映されません。
- 従業員の有給休暇取得時、通勤手当は控除しても問題ないでしょうか?
法律上の定めはありませんが、実態から判断すれば通勤手当については控除しても問題はないものと考えられます。
年次有給休暇取得時に支払う賃金は
① 平均賃金
② 所定労働時間労働した場合の通常の賃金
③ 健康保険の標準報酬日額に相当する金額
のいずれかを選択します。ここでは最も一般的な②を前提として話をすすめます。
ここでいう「通常の賃金」には、具体的にどのような賃金が含まれるのかといった定めはありません。しかし、「通常の」という言葉から、臨時的な要素の強いもの(残業代や出張手当等)は含まれないと考えてよいと思います。
しかし、通勤手当については臨時的な要素は薄いものの、いざ支給するとなると「通勤していないのに」通勤手当を受給できてしまうという不合理が生じます。
また、年次有給休暇制度は「労働者の心身の疲労を回復させ、労働力の維持培養を図る」ことが目的の制度であり、休みを取得することで、労働者が疲労回復以上のメリットを享受できる制度ではありません。よって、通勤手当については控除しても問題にはならないものと考えられます。
しかし、例えば労働者がすでに定期券等を購入している(もしくは会社が定期券を支給している)場合にまで控除することは望ましくありません。「どのような場合に控除を行うのか」や「控除の際の金額の算定方法」など、就業規則にルールをきちんと定め、運用していくことが肝要です。