- 就業規則に社員の兼業を禁止する旨を定めています。社員から休日のアルバイトの申出がありましたが、この申出について拒否しても問題はないでしょうか?
法律で兼業が禁止されている公務員とは異なり、民間企業の労働者については、特に兼業を禁止する法律は存在しません。そこで、就業規則に規定して禁止しているのが一般的です。
しかし、会社が禁止できる兼業とは、兼業することによって、①企業秩序が乱された、または乱されるおそれが大きい場合、②従業員の労務の提供が不能もしくは困難となるおそれがある場合に限られ、これに該当しない兼業を禁止することはできません。
また、兼業を許可制としている場合でも、上記に該当しない程度の兼業については、会社はこれを許可する義務を負うことになります。
したがって、就業規則に兼業禁止規定を定めていても、それによりすべての兼業を一律に禁止できるわけではありませんので、兼業を認めるか否かは兼業を希望 する理由(労働者の事情)に関係なく、その兼業によって企業秩序に影響が生ずるとか、労務提供不可能・困難になるといった、いわば会社の経営上の不都合が 生ずる可能性や能率が高いか否かによって決定しなければなりません。